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ジンクス

カナディアンロッキー湖

誰にでもスランプがあると思う。
1時間や2時間なら「たまたまタイミングが無かった」で済まされる。
1日2日なら「たまにはこんなこともあるさ」と自分に言い聞かせて納得できる。
1週間も2週間続くと「ボクって釣りのセンスが無いのかも」などと心配になる。
1ヶ月2ヶ月と続くと「そもそも進むべき道を誤ったのでは…」などと深刻になる。

運に見放されたギャンブラー……
勝利から見放されたスポーツ選手……
魚に見放されたフライフィッシャー……
誰しも普段と同じなのに、なんとなく歯車が噛み合わない、そんな日がある。
そんな時、他人にいえない自分だけの儀式がないだろうか。
ボクにはある。
ひとつは「怖くないよ、痛くないよ、すぐに放してあげるから……」などと魚に語りかけること。
周りに誰もいないときには声に出して、人がいるときには心の中で……。
これはロッドを持っていなければ変態に近い。
だが、この言葉を唱えると心が落ち着き、スレたヤマメにフライを無視されても「ま、君にだって釣られたくない日があるよね~」なんて気持ちになれるから不思議だ。

もうひとつはオンボロのつば広帽子をかぶること。
その帽子は濃いベージュだったが、いつのまにか色褪せ、まるで砂漠で行き倒れになったラクダ色になっている。

あれは20年ほど前のカナディアンロッキーでのことだった。
毎日が雨の連続。
初夏だというのに空気は冷たく、川は悪魔に取り憑かれたかのように怒り狂っていた。
ボクは成す術もなくロッジに籠もってダルマストーブに薪を放り込む日々だった。
そんな時、たまたま立ち寄ったスタンドの片隅に時代遅れのルアーと一緒に並んでいたのがその帽子だった。
その帽子は最初から色褪せていた。
西日の当たる場所に長いこと放置されていたのだと思うが、なにはともあれ税込み12ドル45セントでボクの頭に鎮座することになった。

その後いろんな場所にお供してくれている。
特に雨が多く、樹上から山ヒルや毒蛇が落ちてきそうな場所では大活躍である。
実際、カナダやヒマラヤの森林地帯で山ヒルに襲われたときなど、はたき落とすのにずいぶんと役に立ってくれた。
また、ニューギニアなど、暑い場所では濡らして被れば天然クーラーの役目も果たしてくれた。
誰も居ないとたかをくって裸で川や池に飛び込んだ時など、突然現れた美女の視線からお粗末なモノを隠す役目もしてくれる。
そして、なにより肝心なのは、その帽子を被ると、なんとなく釣れる気がするというか、自信が沸いてくることだ。

ジンクスやお呪いを信じるなんて、フライフィッシャーとしては失格かもしれない。
だが、昔から言われてるじゃないか「信じる者は救われる!」と。

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agfishさん
ガイド業も楽じゃないですね~
自分だけなら「いつかきっと……」でいいけれど、ゲストに「いつかそのうち……」なんて言い難いし……。
ちなみに雑誌の取材も楽じゃないですよ。
アングラーに「釣れないならカメラとロッドを交換しようよ」なんて言えないし……(笑)

魚がいて、釣れる可能性があると確信できるなら、釣れなくても1週間、1ヶ月といつまでも楽しむことが出来るんだけど・・・。
ガイドの仕事ではそうはいかないですね。
責任のある釣りでは、1日釣れなければへこみ、2日釣れなければ苦悩に陥り、3日釣れないとと転職を考えはじめる。

ホントの釣りの楽しさは「いつかは釣れるさ」という責任のない脳天気なところにあるんじゃないのかな???
プロフィール

残間正之

Author:残間正之
北海道生まれの典型的AB型。辺境地の旅とフライフィッシング、そして雑種犬モボ君を愛するチョイ悪オヤジ。
カメラとロッドを抱えて世界69カ国を駆け回り、NHK「世界つり紀行」やスカパーの「旅チャンネル」や「釣りビジョン」に出演したほか,アウトドア関連雑誌の連載やFM横浜「ザバ~ン」の釣り情報などを担当。
主な著書に「だからロッドを抱えて旅に出る」「世界釣魚放浪記」「フライフィッシング・ハイ!」などがある。
追伸
ホームページ「Anglers Gallery」
ブログ「ゆるゆる北国暮らし」もよろしく。

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